支えになる仕事

私が訪問マッサージ師の資格と取る決意をしたきっかけは自分の祖父と祖母の影響からでした。
当時18歳の私は祖母の痴呆が受け入れられず、必至で介護をする祖父に対しても何も出来なかったことを悔やむ気持ちでいっぱいになりました。
結果、祖父の介護も限界が来てしまい、今は介護施設に二人とも入ってしまいました。

あの時に私がしっかりと知識を持っていれば少しでも役に立てたかもしれないと感じ、通信教育で訪問マッサージ師の資格を取得しました。
22歳から訪問マッサージ師として働き始めましたが、現実は過酷な労働でした。
体力的には自信があったので問題はなかったのですが精神的に辛くなることが多かったです。

一人暮らしの高齢者の家を訪ね、生活の援助を行うのですが人間は十人十色で様々な性格の方がいます。
私が担当したお爺さんは本当に大変でした。

若い頃は学校の校長として働いていたお爺さんはとにかくプライドが高く、何をしても気に入らないようで勤務中、私に文句を言い続けました。
足が悪く、ベッドから移動する際は必ずサポートをするのですが「触るな」と言われ、突き放されたこともありました。
仕事だから我慢しようと何度も言い聞かせましたが私自身もストレスが溜まり、イライラするようになりました。
限界に達してしまう前に担当から外してもらおうと考え始めた頃、たまたまお爺さんの家族が尋ねてきました。

相手はお爺さんの息子で態度が明らかに冷たく、お爺さんとは目も合わせず、用が済むとサッサと帰っていきました。
その瞬間のお爺さんの顔が今でも忘れられません。
今にも泣きそうな切なくて寂しい表情を浮かべ、俯いていました。

そんな姿を見て、この人は寂しいんだな…だから感情をうまく表現できなくなっているんだと感じ、少しでも元気になってもられるよう私がサポートしようと思いました。
そのお爺さんとはまだまだ、壁はありますが最近では少しずつ会話の中で笑顔を見せてくれるようになりました。
訪問マッサージ師の仕事は思っていた以上にハードで時には挫折しそうになりますが、私達を頼ってくれている方々がいると思えば乗り越えていけます。
これからも多くの人々を支えていきたいです。